今の時代にS30Zを持つということ ― 30年以上も過去の機械

 こんにちは、wakaです!
 今日は、旧車を買うにあたっての心構えについてのお話です。

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 S30型のフェアレディZが欲しい?

 やめといたほうがいいですよ。もう30年以上も昔のクルマじゃないですか。

 修理、修理でまともに乗れませんって。

 小型ハイパワーのFR車ってところがイイですって?

 なら先輩、S15シルビアなんてどうですか。これだって10年選手ですけど、何より設計が新しいのが安心ですよ。リアのマルチリンクサスペンション最高です。踏めますよぉ!部品供給だってまだまだ心配ないですしね。

 えっ? 4座席のクルマには興味がない?

 じゃあ、ホンダS2000!!、オープンカーなのに速いのがウリのスポーツカー。車体剛性は間違いなくこちらの方が上です。最近、値ごなれしてるっていうから弄るならこっちの方が…。

 あらぁ、オープンは嫌い?

 どーしてもS30Zが欲しいと。

 あぁ…、普通の中古車だって程度極上を探すのは至難の業なのに、よりによってド中古中のド中古車を欲しいなんて…。

 いいです。わかりました。では、始めましょう。気分を悪くされても知りませんよ。

 えぇ、えぇ。 程度極上のS30Zなんてありません。

 のっけから申し訳ありませんが、「程度良」とか「極上品」とか言っているのは売主が言っているだけで、大昔の素材の悪い鉄板で作られたクルマ、そんなのカタチがあるだけでも確かに「極上品」かもしれません。

 言えることは、安モンに「程度良」はありません。

 部品の供給はこれまでS30Zはかなり恵まれていた方でしたが、近年、製廃が多くなってきてこれも心配のタネです。

 目線を変えて電気系統へ。今まで所有してきた複数のオーナー達によるいい加減な配線、リレーの接続等々、ただでさえ配線の皮膜・端子が怪しいところにきて、この罠のような電気トラブル。嫌気が差してきます。

 じゃあどうすればいいかって?

 S30Zを「作る」んですよ。

 まずは、いろんな情報を集め、いろんなS30Zを見に行き、目を肥やし、自分の魂を注ぎ込めるようなS30Zを探すんです。

 間違っても100万円以上も出して、ボディに穴の開いたクルマ買っちゃあダメですよ。

 かなりの幸運に恵まれて、大枚をはたいて購入することができたら、次は維持費の捻出です。

 何度も言いますが相手は大昔のド中古です。部品代はもう当時の何倍もしています。

 でもここでしっかり、ノーマルに戻すように整備をしていけば、後々のトラブルシューティングは随分と楽になります。

 でも、先輩それだけじゃあ納得いかないでしょう?

 やるんでしょう?チューニング。

 足回り関係、オーリンズで約50万円くらいでしたか。

 頭クラクラしてきますでしょう?

 足回りはいいから、まずはエンジンを?

 某ショップでヘッド側だけのコンプリートをだしてますけどこれがやっぱり約50万円。

 ブロック側もきっちり精度の高い、L型3.1ℓやL型3.2ℓなんて言い出したら、もう一台買えちゃうかも。

 それに、足回りのできてないクルマにいくら高出力のエンジンを載せても踏めませんって。

 どうです?まだこの話、続けます?

2009.04.24 初出
2020.04.09 改訂

ABOUT US
waka
 旧車ブロガー、スーパーセヴンとミニが大好きな高校3年生のwaka(Jr.)です。
 「S30Z&240ZGとの旧車ライフ!」では、父が日産フェアレディZ、240ZGや仲間たちのS30Z、その他のクルマたちに囲まれていた1990年代頃から書き綴ってきたコラムを中心に、僕が改訂して投稿しています。
 どうぞよろしくお願いいたします!