レストア作業について ― 考え方は、人それぞれ

 こんにちは、wakaです!前回の240ZGを入手した時のお話、「はじめに ― 初見、こういう人間です」の続きを書いていこうと思います。

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 あれをレストア作業と呼べるものなのかわかりませんが…、あんまり思い出したくもありませんね。

 想像していただけるとおわかりになると思います。 スクレッパーで斫って(はつって)いく先々で錆で腐食した醜い穴を見つけては、陰鬱になっていく気持ちを。

 外せる部品は全部外し、ガラス類のゴム、モールも新品で取り寄せて、「剥離全塗装」くらいすればビシッと決まるだろう!なんて考えていた自分を恨めしく思ったものです。

 それでもまだまだ小僧でしたから、車体強度の事なんか丸無視で、「なるべくパテは薄めに塗ってください!」なんて生意気なことを、他の旧車の簡易な全塗装(例えば、ハコスカのCピラーに錆で大穴が空いた箇所でも、当て板とパテの厚盛で済ますような、いわゆる「丸ペン」)で手一杯な板金屋のお兄さんにお願いしていたものです。

 しかし、これでもか、これでもか、というほどのアラが出ずっぱりで。

 ・Aピラーは蟻の巣穴のように錆だらけ。
  それでも可能な限り錆を取り除き、新たに鉄板溶接とパテ盛りを。

 ・ラジエターコアサポートの付け根も腐食がひどくて新品部品に総取り替え。

 ・床にも錆で大穴が開いていました。
  ここは部分補修に留めて、後年本格的に床とフレームを作製することに。

 ・ハーネス(電気配線)は、乱雑に追加された不必要な後付け配線で…。
  不必要な配線を全て取り除き、できる限りの手当てをするー。

 そんなこんなの2~3年で、何とか形になったものでした(しかし、ここからもまだまだ大変だったのですが)。

 レストアは、例えば塗装の下地処理だけでも、いくつものやり方があると思います。

 古い塗装の剥離の仕方だって、サンドペーパーで剥る(はくる)のか、リムーバーか、バーナーの炎で炙って(あぶって)スクレッパーで刮ぐ(こそぐ)のか、etc、etc…。

 作業時間も、作業工賃も無限ではありません。必ず「限り」があります。
 そこのところの「見極め」が肝心でしょう。

 今現在も多大なる年月を経て、いろんな状態の旧車があることでしょう。

 もし、あなたがそういった手間のかかる旧車やスポーツカーの類を所有したいと考えるなら、
 ・どんなふうに使うつもりなのか。
 ・そのためにどう維持していくつもりなのか。

 そういったイメージや希望に合わせたレストレーションを行ってくれるショップ、お店を探し当てることが、まずは第一です。

 そしてもう一つ大事なことを。
 それはそのレストア作業をあなた自身がしっかり納得すること。雑誌やネットの受け売りではない、あなた自身の考えで納得すること。

 そのためには、より多くの知識を蓄えること。手を動かすこと(行動すること)。

 それが大切なことだと思うのです。

2009.03.24 初出
2020.04.09 改訂

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waka
 旧車ブロガー、スーパーセヴンとミニが大好きな高校3年生のwaka(Jr.)です。
 「S30Z&240ZGとの旧車ライフ!」では、父が日産フェアレディZ、240ZGや仲間たちのS30Z、その他のクルマたちに囲まれていた1990年代頃から書き綴ってきたコラムを中心に、僕が改訂して投稿しています。
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