そのとおりに部品が付いているとは限らない

 「あぁ、よく左右で前期型と後期型と違うのが付いていること、ありますからね」

 先日、240ZGのブレーキ周りの部品を発注した業者さんの言葉です。

 はい、本当によくあります。

 どうしてこうなっちゃうのかなぁ?と思っていても、たぶんお客さんへの納期を急いで適当にある部品をくっつけて納車したとか。

 現代でもあることです。
 30年近く昔はもっとひどかったですから。
 誰も正確な資料を持ってなくて、真偽の見分けがつかなかったのです。

 ・Gノーズを取り付けて開閉できなかったから上部部品を削られた
 →ボンネットのヒンジがショートノーズと違う
 ・R200デフのLSDで契約したのにR180デフのオープンのままだった
 →旧車が右から左へと売れていくのでそんなのに構ってられない
 ・リアストラットが左右違っていて車高が合わない
 →車体取り付け部上部の高さが違う

 などなど。
 そして、うやむや。

 1969年から1978年までの9年間も作られてきたS30Z系です。
 前期型も後期型も、ハマる部品はハマるところにハマっちゃうのが長所であり難点でして。

 そんなタマを掴んだら?
 すぐに手放すのが経済的によいと思います。
 そういうクルマは本当に手間ばかりかかるのです。

 愛されてこなかったクルマは―。

 でも、そんなわけにはいかない人。
 そんなクルマを愛車として、きちんと機械として接していきたいという人は―。

 一つひとつ分解して正しい部品が取り付けられているか確認することをお勧めします。
 自分の手で、自分の目で。

 そして、もしこれから旧いクルマを買おうとする人に伝えることがあるなら。
 中古車を買う時にはクルマを見て買わない。人を見て買う。

 これは昔っからの鉄則なのです。

 ※写真はミッションを分解して歯数から240クロスミッションを確認したものです。

2021.04.16
2021.04.16

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waka
 旧車ブロガー、スーパーセヴンとミニが大好きな高校3年生のwaka(Jr.)です。
 「S30Z&240ZGとの旧車ライフ!」では、父が日産フェアレディZ、240ZGや仲間たちのS30Z、その他のクルマたちに囲まれていた1990年代頃から書き綴ってきたコラムを中心に、僕が改訂して投稿しています。
 どうぞよろしくお願いいたします!